

娘が生後9ヶ月になった時、およそ1ヶ月間の育児休暇を取得しました。私も最初は、女性が家事育児をして男性が外で働いて…という昔ながらの考えを無意識に持っていたところがあったんです。でも、実際に子どもが生まれると変わりますね。妻は24時間子どもに付きっきりで抱っこをしながら授乳やおむつ替え、夜泣きで眠れないことも多く毎日寝不足続きの状態で頑張ってくれていました。体力的にも精神的にも疲弊していく妻の姿を見ていて、なんとか負担を減らしてあげられないかと思うようになったんです。週末だけではなく、一日中子どもと向き合う時間をまとめて取らないと、育児の悩みを共有してあげることもできない。自分は父親として、母親と同じ立場で育児をしていると言えるのだろうかと考え、育休取得の希望を出しました。育休の1ヶ月間はもう驚くほど大変でしたね。うちの子は特に自己主張が激しくてよく泣きますし、離乳食を食べさせると嫌がる。とにかく手のかかる子なんです。でも、すごく楽しかった。それまでは妻としか寝なかった娘も、私と一緒に寝てくれるようになって。親としてできることが増えていくんですよ。子どものことを深く知る機会になりますし、妻の負担も減らすことができて、家族みんなが幸せになれる。男性の育休取得が、これからどんどん普及していったらいいなと思いますね。



育休の取得にあたっては、職場の理解がとても大事になると思います。私も、まわりの皆さんに助けていただきながら、快く取得させてもらうことができました。私の所属する内閣人事局はまさにそういう働き方を見直し、率先して取り組んでいこうと推進している組織です。上司も、子育てに参加する部下へ理解を示す「イクボス宣言」を高々と公言していますし、一人ひとりが無駄な作業をやめて効率化していこうという意識を高く持っています。今でも、子どもの体調が悪い時には休みを取らせていただくなど、家族のために有給休暇を利用しやすいのは嬉しいですね。私は今、諸外国の公務員制度に関する調査のために海外へ行くことも多いのですが、働き方については日本との違いに毎回驚きます。先日訪問したカナダでは、男性も女性も対等に仕事や育児をすることが当たり前の考え方なので、育児に関する制度も充実していますし、女性管理職の割合も45〜50%とほぼ半々。1桁台の日本とは大きな差があります。欧米では管理職の役割にシビアな能力が求められているという背景もあるようです。もちろん文化の違いはありますが、日本でも良いところは取り入れながら、働き方の改善につなげていけるのではと感じています。良い仕事をするためには、家族が健康でいてくれることが一番。そして家族を幸せにするためにも、もっと良い仕事をしたい。常に全力で、ワークライフバランスを保った働き方を目指していきたいと思います。

井上 裕章
INOUE Hiroaki
内閣官房内閣人事局
2011年厚生労働省入省【Ⅰ種法律区分】
平成28年12月1日時点